ベルリンのコントラバス奏者高橋徹のBlog


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pp(ピアニシモ)の美しさ!

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そして大事さ,貴さ。
フォルテとかピアノ、これはイタリア語(の音楽用語)で強くとか弱くという意味。フォルテの上にはフォルテシモがあり、ピアノのもっと弱いのはピアニシモ。最近ではfffとかpppでより極端に要求する作曲家も多い。
さて,オーケストラで弾くのとは別のメロディを歌う,ソロを弾く場合の話です。フォルテとかピアノを考える以外に音色、歌う音の色の要素がある。「良い音」と文字にしてくくってしまうのはあまりに単純だけれども,僕ら音楽家は,少なくとも僕は,この音の良さ、深い多彩な色を持った音が最重要な要素のひとつだと思っています。その色が多ければ多いほど使い分けることが出来,音の長さやメロディの節回しなど,作曲家が書いてくれた楽譜に書かれているものをたくさん読み取り,それを如何に表現するかが演奏という訳です。
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音が大きなホールで遠くまで通る,聴こえること。聴こえなければどんな高度なことをしても意味がないから聴こえなければならないのですが,この音が通るということと音色とはかなり深い関係があります。もちろん手にしている楽器も,それを奏でる奏者の持っている音も大きな要素です。
特に努力しなくても音が聞こえる,単純にいえば音が大きい楽器/高音域で目立ちやすい楽器,これを扱う奏者は音色のことを(何もしなくても音が通るが故に)おろそかにしていることが多いです。
ピアノは綺麗だけれどフォルテは汚い、というのはどんな楽器でも,オケでも頻繁に遭遇することです。
さて,どんな楽器でも書かれている通りの/以上の強弱を音楽する上で表現要素としてはっきりと打ち出すのは演奏する上で大事なことです。ただ,大きな音,ソリスティック(と勘違いされてる)な大きい音が◎とされることが現代では残念ながら普通になって来てしまっています。
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コントラバスは,ただ弾いてるだけでは目立つことはありません。目立たなくても和音を支えていれば良いし,ソロ楽器より伴奏が目立つ必要がないのは当然です。(それでもアンサンブルで内容で自己主張を常時試みているのは言うまでもないことです)
しかしコントラバスでメロディを奏でるとき,もしくは普段の何てことないフレーズでも、音を考え弾き方を考えて大事に弾くことを忘れたくはありません。
今日はMozartのクラリネット協奏曲を管はフルート2ファゴット2ホルン2の編成で弦はクインテットで弾いてきました,今度の土曜日のコンサートのリハです。
本番のソリストはBPOのヴェンツェル フックス氏ですが現在はまだ日本に滞在中で今日はお弟子さんが来ました。見たことある顔と思ったらDSOのバスクラのJのご子息のフェリックスでした。
演奏は立派でした,音も素敵だし色も多い。しかし何が足りないと言えば,おそらくは管楽器では,いや、すべての楽器にとって難しいpp、これがなかったことでした。
どんな楽器でも難しいと書きました,たしかにどの楽器もそれぞれの難しさは違うとは思いますが,クラリネットはppを出しやすいのではないか?と僕は思っています。
前述の,音が通りやすい楽器,目立つ楽器ですから,その範疇で,例えば2楽章の頭などppで歌えたら,どんなに良くなるでしょう?!知っていてできないのか,気づかないのか?本職の父上が聴きに来ていて何も言わないのはどちなのか?確かめる機会はありませんでした。彼の師匠のヴェンツェルはきっとひと味違う演奏を聴かせてくれるでしょう。

A.ブラントフォーファー氏、ウイーンからベルリンに移った往年の名ソロクラリネット奏者ですが、このA-durのコンチェルトを何度が室内オケで伴奏したことがあります。もう実に,ただ弱いだけではもちろんない,極上のppで長いフレーズを粋に歌い上げてくれました。
そういう演奏や,もちろんヴァイオリンやチェロの名演はいくらでも録音で残っているのに,どうして爆音の演奏が多いのだろう?そしてそれが良しとされるのだろう?と思うことしばしですが、良いと思ってもできないのか,自分がしていると思っているのか、それとも何も考えていないのか?
美しいpp、そしてその美しさを保ったff、貴いです。
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写真と文章,今日はあまり関係がありません。
KBは私のソロ楽器、名器パオロ スカランペラ。ヴァイオリンの弓は友人宅で先日見せてもらった極上弓、パジョー2本とヴォアランです。

今日も暑いですよー!ベルリン、夕方なのに未だに32℃。
そして金曜にはまた36℃になるそうです。
by Toruberlin | 2010-07-14 16:08 | 音楽の話 | Trackback | Comments(2)
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Commented by Yusuke at 2010-07-15 02:12 x
元クラリネット奏者の義父…ただ今、週末の数分のソロを吹く準備に追われてますが…
日本の今この時期(梅雨時)は、綺麗にppが出せるリードを作るのが非常に難しい…というか、不可能に近い…と言ってました。
(ブランクがあれば尚更なんでしょうけど…)

今日の僕の日記とかなり内容がかぶってしまって…決して真似たわけではないので…!(笑)
でも…美しいpはずっと追い求めたいですね!
Commented by Toruberlin at 2010-07-15 04:13
Yusukeさん、梅雨時とかリード作りとかいろいろあるでしょうねーもちろん。オーボエとかファゴットよりも楽なのかなー?と思ったまでです。
ppはちゃんとだすのはとにかく難しい。
何もないくらいの,隠れるオケのppとひとりのppは訳が違うということを書きたかったのです。
ppのことを考えてる人が,どのくらい居るのだろう?と
心配になります。
僕も夕方,スカランペラでセンプリーチェ、ppで曲を弾きましたが,いやー難しいこと!
でも、ppからffのレンジ幅,どれも自慢できる音で弾けることは追い求めたいし,そうしなければならない!と思いますね!