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ベルリンのコントラバス奏者高橋徹のBlog


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膠(ニカワ)

膠(ニカワ)_c0180686_10164891.jpg
弦楽器工房か?!という雰囲気ですが、80年代に引退したピラー親方のあとはベルリンの弦楽器工房とはほとんど付き合いがありません。もちろんネックが折れたフランス娘は、友人の紹介で普段はKBはやらない工房で最高の修理をしてもらいましたし、香港で穴が空いた時、またその前にDSOツアーで壊れた時もHawkes-Panormoはピラー親方の愛弟子、トルコ人のHさんに素晴らしい修理をしてもらいました。(彼も昨年、引退してしまった)
しかし毛替えはもうずっと日本ですし、それ以外の修理は(嬉しいことに割れることはない!)自分でやっています。
駒も造ってもらっても、完璧はないから、魂柱の場所と同じく自分で調整します。
膠(ニカワ)_c0180686_10164157.jpg
少し前から時々ビリビリ音がしていて、表板と横板の接合部が剥がれていたScarampellaと、久しぶりに弾いたら出る音くらい派手な雑音がしたHillの五弦、こちらもエンドピンに近い表板と横板の繋ぎが広範囲に剥がれてました。
膠(ニカワ)_c0180686_10163453.jpg
右を下にして寝かせることはまずないのだけど、どっちも左側が剥がれてるので仕方ない。
膠(ニカワ)_c0180686_10162817.jpg




膠は古から主に木材の接着に使われてきました。固いのを水でふやかし温めることで溶け、それを接合部に塗って冷めると固まります。60℃くらいの温度が最適、沸騰させると機能が落ちるので湯煎しながら混ぜるのです。接着剤として素晴らしいのは温めると剥がれることです。また手についても固まるし、混ぜてるナイフも器も残った膠が固まりますが、温めると溶けるのでお湯で洗えばキレイになります。
膠(ニカワ)_c0180686_10162054.jpg
湯煎して温かい膠、冷たい楽器に触れればすぐに固まっていくのでドライヤーで楽器の修理部分をあらかじめ温めておきます。固定まで十数秒ですが、薄い塗りで綺麗に接着してもらう為です。
膠(ニカワ)_c0180686_10161391.jpg
膠(ニカワ)_c0180686_10155524.jpg
隙間にトロトロの膠を垂らし、多すぎず少なすぎずで一度布で拭き、翌日まで固定します。固定したら時間はあるのでお湯をつけた布ではみ出てきた余分な膠を丁寧に拭き取っておきます。
膠(ニカワ)_c0180686_10160638.jpg
膠(ニカワ)_c0180686_10160009.jpg
二本とも完了!翌日の今日、しっかり着いていました。
膠(ニカワ)_c0180686_10153175.jpg
乾燥する冬には剥がれやすいです。僕は楽器のある部屋は外が氷点下でも暖房を点けませんが、もちろん乾燥を防ぐためです。ダンピットという加湿器具がありますが、乾燥していたら使うのは当たり前!多くの弦楽器奏者が使ってなく、また無しでも剥がれないと自慢げにしてるのには驚きます。急な乾燥が割れや剥がれの原因ですから湿度が低い時期にはダンピットが頼みの綱です。

膠は書いたようにもともとある接着剤ですが、なぜ弦楽器にずっと使われてるのか?それはしっかり接着するけれど適度に剥がれるからです。
接合部が剥がれることで楽器本体が割れるのを防いでくれる。そして重要なのが、変に加わって蓄積した圧力から楽器が解放されるためでもあります。
だから、割れた時は大問題ですが、剥がれても騒ぐ必要はありません。膠で接合し、雑音が出なくなれば良いのです。
この蓄積した圧力というのは厄介で、オールドヴァイオリンで表板が派手に割れてる楽器がありますが、日本では特にそれだけでものすごく楽器の価値が下がります。しかし派手に割れてるなー?というヴァイオリンの中には、製作者が、または後の職人がわざと割って(多分、調整を工夫しても?だった時と思いますが)悪い圧を無くし楽器を鳴るようにする、そういう技法が実際に存在する(した)のだそうです。それだけ歓迎できない圧は、厄介なのです。

話は戻りますが、膠のおかげで楽器にかかった圧、または急激な温度や湿度変化でかかった圧を、楽器本体が割れる前に接合部が剥がれるように機能してくれる。これはきっと膠の種類と質と濃さにも関係あり、それをマイスターは極めているのでしょうが、やり方によってはかなりの接着力を持つことも、使ってみればわかります。
膠(ニカワ)_c0180686_10152516.jpg
日曜の夕方から夜は、楽器の修理と手入れで過ごしました。
そして雑音が出るくらい隙間が空いていた楽器は修理後には素晴らしく鳴ってくれてます。
もともと職人の家系だからか、こういう作業は楽しく好きです。
月曜の今日は、せっかく楽器が弾けるのにいろいろあってあまり弾けなかった。
明日は、半日は弾けるはずだから楽しみ!
GGのガット弦も程なく新しいソロ弦が完成するそうで、これもまた楽しみです。
膠(ニカワ)_c0180686_10145741.jpg





by Toruberlin | 2016-02-01 23:13 | 楽器と弓の話 | Trackback | Comments(6)
Commented by Masaya at 2016-02-02 18:57 x
オーケストラの演奏を聴いていていつも思うのは楽器の構造、仕組みってすごいなというところです。僕はやはりものづくりの側の人間ですので、そちらのほうが気になっていたりします。あと、演奏者の姿勢、手の動き、角度など。弦楽器の方々ですが、同じ譜面を弾いているはずですが、微妙の違うのが楽器がもちろん個々に違うのと演者が違うのでその癖なのか。おもしろいです。
Commented by Toruberlin at 2016-02-03 05:35
楽器、弦楽器というのも500余年の歴史があるが、確立されるまではいろんな形があり、面白い。
KBはある意味、ヴァイオリンと違い、未だに形が決まってないとも言える。
まあ動き方は、これは個人差があるね。で、僕は、その動き方で演奏が決まるとさえも思ってます。
そう動けば良い演奏ができる、じゃなく、良い演奏者は弾き姿が美しい!これもまた真実!
Commented by H.S. at 2016-02-04 01:03 x
ご自分で修理なさるんですか?スゴイですね。
Commented by Toruberlin at 2016-02-04 01:11
Hちゃん、こんにちは。
そう、愛する楽器。可能なことは自分でやりたい。
特に音に関する調整は、楽器屋さんには任せてはおけませぬ。
もちろんそれは、先生は友人の楽器屋さんからの知識と経験があってのことだけれどね。
でも大抵のKBは、どうしたらどうできるかは、解るようになりました。
Commented by Masaya at 2016-02-06 07:02 x
ドレスデンフィルのコントラバスの方々は、足の長い椅子に座って足を小さい踏み台?みたいなのに乗せてコントラバスをこの前のロジェストベンスキー三の公園では弾いていました。いろんなスタイルがあるのか、オケのときはそれが普通なのか、はじめてオケを拝聴したので他はToruさんのコントラバスの演奏ものしか過去のサンプルはないので比べられないですが、DSOでも長い足の椅子に座ってというように演奏されますか?
Commented by Toruberlin at 2016-02-06 09:24
Masayaくん、こんばんは。
僕は一人の時は好んで立って弾くからね。あーでもポツダムの室内オケでもそういう椅子は一応置いてあるよ。
演奏スタイルには立奏と座奏があるのだけど、オケは普通は世界中、そういうバス椅子に座ります。
DSOとか他のブログにある写真、見るとわかると思うよ。
で、ここでも面白いのは、立って弾く時と座ってと全く構えが変わる人もいれば僕の恩師みたいに(僕もそうだけど)バス椅子に座っていても立って弾いてるのと同じような構えがある。そう、僕は深くは腰掛けない、基本的に。
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