ベルリンのコントラバス奏者高橋徹のBlog


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Franz Schubert「冬の旅」

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月曜日、ShönebergのギャラリーGondwanaで新三友合唱団のテノールAkira Saitoさんのコンサートでした。「冬の旅」全曲。今回のツアーはこのコンサートありきで、合唱団の有志の皆さんが一緒にベルリンにおいでになるので教会での合唱団コンサートも計画したのです。斎藤さんは今年喜寿、合唱の世界には新入社員のころから入ったそうですがソロは10余年のキャリアでマエストロ長野が「毎週、ピアノの遠藤先生と一緒に練習してるだけじゃなくて、コンサートしなさいよ!」とさんざん勧め、東京で「冬の旅」「水車小屋の乙女」を数回、そしてドイツの方に聴いていただきたい!と今回初めての国外公演となりました。
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出演するお二人と、この日は裏方に徹したマエストロ、長野くん。1630からのリハにホテルまでお迎えに行き、ギャラリーの傍で車を降りたところです。
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ギャラリーGondwanaでは月に1-2度、自主公演のコンサートが開催されてます。キャパ30余席と広くはない会場ですが暖かい音響は素晴らしく、ここにして正解でした。
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コンサート前の斎藤明さん。壁に掛かるはシュミット元首相です。ちょうど展示の入れ替わり時期で、絵画はほんの数枚飾ってあるだけでした。
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合唱団員のおひとりが東京でお会いしたときに「私も藝大なのよ!」と。美挍でした。日本画家です。成城学園では小澤征爾氏と同級生だったそうですが、彼女が墨絵でポスターを制作なさいました。
鳥獣戯画、素晴らしい!
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リハーサルでも結局ほぼ全曲を!前夜に日本から到着なさったので少し心配しましたが「後半やっと声が出てきたので!」タフです。
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長野カメラマン。
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さて、コンサートです。
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ドイツ人のお客さんも7名来てくださいました。
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休憩時間に「あなたはドイツ語話すよね?」と外で話しかけてくれたドイツ人観客の皆さん。「ドイツ語はたぶんそうは理解なさってないと思うのだけれど、どうしてドイツ語でシューベルトを歌えるんだ?」冬の旅の情感が伝わってくるのを「なんでだ?」と話してらっしゃったそうです。シューベルトの音楽と歌詞が、作曲者の意図通りに伝わっているからか?これ以上の褒め言葉はないかもしれません。
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本番も後半で声がさらに出てきました。これもコンサート構成を考えれば◎な効果です。
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大喝采に迎えられアンコールも一曲。
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素晴らしいステージでした。
声量という観点からは、プロの歌手には叶わないでしょう。しかし何が大事か?音楽を伝え、上記の詩の情感を伝えることの方が、特にリートは大事でしょう。家内のパートナーのゲオルギアもそうですが、リートは素晴らしいけれど、それだけでは生活できないからオペラも!となると声量という壁に悩み、今新しい先生に師事して発声も変えているらしい。今の美しい声、溢れる情感が失われないと良いけれどと心配しています。
楽器でも「爆音」なんていう嫌な言葉をたまに耳にするくらい、ハッタリのデカイ音で演奏することが◎のような風潮があります。フォルテは大きい音という意味ではなく「強い」でありfとpの差(色の)こそ大事で、だからppの音のクオリティーこそが肝要で、それをどこまで壊さないでffまで持っていけるかが鍵なのです。
だから、持っていない声量を、持っていない(その楽器の、または奏者の)音量を求めても仕方ない。
もともと音楽はバッロクは言うまでもなくクラシック、このシューベルトの時代だって、まだまだ大きなホールで演奏されるためには書かれていない。響きが良ければせいぜい200人くらいのキャパ、ペイするならば50-100人くらいがゆったり座れる場所での演奏がリートや室内楽には適しています。
この会場で、ぴったりと寄り添い、またリードする遠藤さんのピアノとともに堪能させていただきました。
もう一つ驚いたのは、音程がものすごく良いこと。ただ合ってるだけじゃなく、弦楽器の理想に近い音程の取り方で、僕らが左の指先で最後の一瞬に「その音を最も美しく響かせるために」とる音程のような。パシッと行くのだけど、アクセントなくあくまでも柔らかい。こういう歌手はプロでもなかなか居ない。
また2-3年後にはベルリン公演?との話も出ていますが、実現できたら良いなー!
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近所のレストランで乾杯!前夜にベルリン入りしたのにみなさん起きてました。
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タルタ・フランベ、アルザスの薄いピザを四種類。これを肴に地ビールRoillBergとワインで過ごした楽しい夜でした。
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by Toruberlin | 2016-05-11 23:55 | 音楽の話 | Trackback | Comments(0)
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