ベルリンのコントラバス奏者高橋徹のBlog


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アナログレンズとデジタルカメラ

c0180686_08242609.jpg
銀塩写真時代のカメラ、ニコンやキャノン、ペンタックスに小西六、ミノルタやヤシカなどの日本勢、LeicaにZeissをはじめとする日本企業が手本にしたドイツのレンズメーカーからは現存しないブランドも含め数多のレンズが世に出ました。
僕がベルリンに来たのは80年、まだまだ銀塩写真、つまりフィルム全盛の時代です。
すでに日本の優秀なカメラにドイツメーカーはシェアで押され気味でライカもMは流石にまだ高価でしたがRシリーズ、R4くらいまでは安価で(ボディ)レンズも無理すれば何本かは、いや無理して買ってましたが「ライカのカメラは空気を写す」と言われていたカメラを自分で持ち、それで写真を撮れるとは夢の様なことでしたので、当然無理しても実行しました。25歳くらいでした。
そしてデジタルが登場、いやその前にもオートフォーカス、オートマティックの銀塩一眼レフのための新型レンズが出て来たおかげで、古いアナログレンズが手に入りやすくなってました。
今は写真家といえばほとんどがデジタルで最新のレンズの組み合わせ、いやハイアマチュアと言われる人もほとんどが最新のカメラとレンズのセットを愛用しています。そのおかげでアナログの名レンズが時には二束三文で売りに出され(数があるものは今でも)欲しいレンズ、余程手の届かない(おそらく未来永劫大幅には価格が下がらないアナログレンズ)を除けば手に入れました。
何が魅力かって?!手で磨かれた時代のレンズ、またはドイツに追いつこうと工夫してた時代の日本のレンズなどなど、味のあるレンズにアダプターのおかげで最新頭脳を持ったデジカメを装着できる。せっかく楽しみで撮るのに、フィルムが持ってる性能の範疇はカメラにやってもらうとしても(賢いですから)フルオートなんてもったいなさすぎる。絞りもシャッタスピードも自分で操りたい!オートマじゃなくマニュアルで運転したい人にはわかる感覚と思います。
ライカのMで銀塩写真も、RollFilmでリンホフやハッセル、またまたZeissやRolleiで撮るのも、それは素晴らしいですが(全て集めたカメラは手放していないので、いつかやります銀塩monochrome!)便利で素晴らしいデジタルカメラをマニュアルにしてアナログレンズでの撮影は、記録やスポーツ写真、または報道目的ならいざ知らず、写真を撮る=その瞬間を切り取るには最も面白いと思います。
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オールドレンズには最高のNEX6、相性が良いです。そしてEマウントだから広角レンズがより活きる。
もう一台!と思ってますが、なかなか新品を手にいれる機会がありません。(ドイツのアマゾンで秋に大量に出たNEX6は詐欺っぽかった、もしどなたかそれで成功した方がおいでなら是非知りたいです)
もちろん、これ以上のボディもあるのでしょうが、やはりMfTはWIDEが活きないから、興味が湧きません。
このあとのαにも、あまり魅力を感じない。フルサイズのα7はきっと良いのだろうけれど。

ピントがあって(合わないのも困るけれど)るだけの写真には全く魅力を感じません。
写真も、間違いなく演奏と同じ。音と同じ。
気を入れて、かそうじゃないかで決まります。
だから記録写真、何か事件のその瞬間をとらえた写真には(きっとそういう)価値がありますが、作品としての写真は、これは音楽と実に近い。
「ライカのレンズは空気を写す」
これはベルリンに来て実感したことです。
同じ作品をオーケストラで演奏する、その違いを。
良し悪しとは言いません、違い。
でもその違い、たとえ少しの差でもそこにこだわらなければ極める意味がなくなる。
だから、気の入ってない音しか出ないなら弾かない方が良いし、気の入ってない写真は実につまらない。
いや、そんな写真は、ちゃらんぽらんに撮っていなくても、毎日たくさんあります。
最高!なんてのはなかなかお目にかからないけれど、自分が感じたことの記憶が、良いところが少しでも写真にあったならば削除しないで持っています。
その把握がフィルムではとっても大変だったのが、今のデジタルでは容易にできる。これは本当に便利でありがたいことです。
で、いつも過ぎる疑問。
だから、一球入魂が稀有か、はたまた無きに等しくなっているのか?
ここが大事なところと、思っています。

ライカのSuperAnguron。21mmの広角レンズでSchneiderという別のレンズメーカーがライカのために製作してました。M用のレンズの方が小振りでエレガント、そして高価です。が、Rをずっと使っていて多く持ってるのとR用の方が安価でミラーレスがまだ今ほどポピュラーになる前の手に入れ易かった時期にチャンスがあったのでR用スーパーアンギュロンを手に入れました。歴史に名を残す名レンズです。まだまだ使いこなせているとは言えませんが、しかし素晴らしさは判ります。
パリのアンジェニュー、Zeissのフレクトゴンも手に入れてますが、その名レンズたちの味の違い、切りとる景色(時間)がレンズによって違うのは面白い。
楽器と弓を選ぶように、その日のレンズを決める。
それが生業であるかは別に、好きなことを極めるのは、楽しみながらとことんやるべきなのです。
そういう意味ではコントラバスも写真も料理も同じと思っています。
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by Toruberlin | 2017-02-01 23:23 | 趣味の話 | Trackback | Comments(4)
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Commented by アナログレンズ大好きです at 2017-02-04 23:32 x
高橋様、NEX繋がりでブログを拝見して以来、拝読しております。ドイツならではと存じますが素晴らしいレンズで写真を楽しんでおられるご様子、そして写真の素晴らしさも敬服致してます。
スーパーアンギュロンはM用を持っております。素晴らしいレンズですね。私も長年ライカを中心に今ではオールドになったアナログレンズを使ってきました。
確かに、素晴らしい目と最新の頭脳!オートフォーカスが使える最新の組み合わせを使っていますが、ボディは無理でもレンズはこうすれば活きますね。もちろん、つかこなせるかは別の話。音楽と、「音に気を込める」と写真を撮ることは同じ、にものすごく共感いたします。
なかなか暇がありませんが、それも「自分で作るもの」ご教授ありがとうございます。
Commented by ライカ大好き at 2017-02-05 08:39 x
私も長年カメラと生活しております。ライカのRもMも愛用していました。今はライカじゃなく日本の最新一眼を愛用して長くなりました、やはりデジタルはライカを買う気にはなりません。
福島の御大のところで手になさったK-1も素晴らしいと思いました。
瞬間を切り取るのに、その瞬間を逃さず失敗しないためには今のカメラとレンズは最高です、そして元データが多ければあとでいくらでも修正ができます。
でも書いてらっしゃるように報道カメラマンではないですからシャッターチャンスが全てではない。
なんか昔の自分の写真と比べても軽いというか面白くないとずっと思っていました。
一球入魂の気持ち、拝読して思いました。
それが足りないのだと。
気持ちを新たに、露出計を駆使してた頃を、温度計に気をつけて現像していた頃を思い出して撮ろうと思います。
それだけで、楽しさが変わると思っています。
これからも写真、楽しみにしております。来週からまた真冬だそうで、どうぞご自愛ください。
Commented by Toruberlin at 2017-02-05 19:50
アナログレンズ大好きさま、ありがとうございます。
レンズはこちらは湿度が低く黴ることはほとんどありませんので、ニコンなどのオールドレンズも(金属製の)たくさん残っています。軽いことは良いことですが、モノの持つ雰囲気、味のあるモノに惹かれます。
そういう味のあるレンズと最新のミラーレスの組み合わせ、気に入っています。
Mレンズも欲しいのですが、なかなか手が出ません。エレガントですがRの大きいレンズと小型ミラーレスを組み合わせた姿もまた、好きです。
せっかくの好きなこと、「こなす」じゃなく「楽しむ」、もちろん志高く、が面白いですね。
Commented by Toruberlin at 2017-02-05 20:06
ライカ大好きさま、コメントありがとうございます。
デジタルカメラは価格面でもライカを選ぶのはかなり考えますね。御大のK-1は素晴らしいです。あれでもっとコンパクトだったら良いのですが。
フォーカスが合うことは良いのですが、どこに合わせるかを考えないと、ですよね。全てにあってるピントは、逆に言えば全てにあっていない。
音楽の話ですとバッハが考えた平均律という考え方は全ての調性で使える鍵盤楽器のために。音の周波数をオクターブを平均で割りました。全ての調整で弾けますが、全ての調整で微妙に合っていないことでもあります。
まあ、平均律くらい音程が良ければ◎なんですが、そこで平均律を基準に純正な調の響きを知って、それを加味する。そのバランスをとりながら演奏しています。
話が逸れましたが、写真もそれと同じとも思います。
全てがオートか?(便利だけど)それとも露出を自分で測り、距離計が無かった時代は目安でピントを合わせたものですが(蛇腹カメラなど)合わせたいところに自分でカメラを操ってピタリと決める。絞る。
これをやるかやらないか(やったことがあるか?)で大きく変わると思うんです。それが一球入魂に繋がるかと思っています。