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ベルリン映画祭出展 山田洋次監督作品「小さいおうち」

ベルリン映画祭出展 山田洋次監督作品「小さいおうち」_c0180686_20150616.jpg
ベルリン映画祭出展 山田洋次監督作品「小さいおうち」_c0180686_20145931.jpg
15日の朝9時から、計4回の上映の2回目を鑑賞しました。映画を観る、って僕には結構特別なことなんです。映画は大好き、そして声優として30年余り映画に関わっていますが(声優だけじゃなくW.ヴェンダース監督の作品にも出演しています)だからこそ(?)映画館に行って「がっかりする」のは本当に嫌で、だからアンペルマンが関わってるベルリンの映画祭とか無声映画に音楽を付ける仕事以外に映画館に行くことは稀です。
もちろん、映画館で観るのは格別です。家でMacBookやテレビで観るのは、オーケストラをCDで聴く様なものですから感動が違いますが、その演奏会と同じく、落胆した場合もライヴは大きいから、そして実は出不精なのもあり、ベルリンで映画館に入ったのって、この30余年で30回はきっとないと思います、仕事以外では。
ベルリン映画祭出展 山田洋次監督作品「小さいおうち」_c0180686_20145280.jpg




ベルリン映画祭はベルリン各所の映画館と劇場で大々的に行われますが、今回観に行ったのは劇場。Friedrichstadtpalastというレビュー劇場です。
その俳優もどきをやっていた80年代、まだ東の時代にZDF(ドイツ国営第2放送)のドラマに出演したことがあります。カチャ・エプシュタインという歌手(確か、札幌オリンピックの歌を歌ったんじゃなかったかな?)が主人公で、舞台はこの劇場。そう、壁があった時代に西のテレビ局が東ベルリンでロケした、貴重な体験でした。
宝塚のベルリン公演もこの劇場でした。僕は舞台監督の通訳で毎日、舞台正面で観ていましたが、宝塚がどうしてあんなに人気があるのか?納得で来た素晴らしい公演でした、ベルリン公演。
その時も、数週間この劇場に居ましたが、表は今回が初めてでした。
ベルリン映画祭出展 山田洋次監督作品「小さいおうち」_c0180686_20144677.jpg
なかなか立派なロビーです。
ベルリン映画祭出展 山田洋次監督作品「小さいおうち」_c0180686_20143958.jpg
この劇場、とっても観やすい構造です。
ベルリン映画祭出展 山田洋次監督作品「小さいおうち」_c0180686_20142969.jpg
ベルリン映画祭出展 山田洋次監督作品「小さいおうち」_c0180686_20142251.jpg
映画には滅多に行かないと書きました。好きな映画は、でもたくさんあります。
そして今回の「小さいおうち」素晴らしかった!日本でも上映中です、是非おいでになってください!
ベルリン映画祭出展 山田洋次監督作品「小さいおうち」_c0180686_20141135.jpg
何が素晴らしいって、寅さんシリーズの山田洋次監督作品、まず俳優陣がすごい!小津安二郎監督の東京物語、あれのリメイク版が山田洋次監督でありますが、それとメンバーはかなり同じです。作品の出来は、今回のが数倍、上ですが。
そしてなにより、やはり大事なことは多いけれど、やはり「ホン」なんだなー!脚本が素晴らしかった!
そして、最高だったのは(たくさんのそれがある中で)倍賞千恵子さんの声、これは最高でした!
ベルリン映画祭出展 山田洋次監督作品「小さいおうち」_c0180686_20135968.jpg
ベルリン映画祭出展 山田洋次監督作品「小さいおうち」_c0180686_20135161.jpg
上の2枚はベルリン映画祭のオフィシャルサイトより。
ベルリン映画祭出展 山田洋次監督作品「小さいおうち」_c0180686_20134214.jpg
エンディングで写真を撮らせてもらいました。
終わるとすぐ立ち上がるのは、人それぞれだけど「なーんだ!」感のある人と、本当に急いでる人、トイレに行きたい人と思いますが、それが少なかった上映でした。僕も「がっかり映画」は立ち上がりたいけど、基本的には最後まで座っていたい。もちろん、この秀作は最後まで堪能しました。
ベルリン映画祭出展 山田洋次監督作品「小さいおうち」_c0180686_20131287.jpg
「小さいおうち」
ベルリン映画祭出展 山田洋次監督作品「小さいおうち」_c0180686_20132343.jpg
今年は結局この1本だけでした、ベルリン映画祭。
ベルリン映画祭出展 山田洋次監督作品「小さいおうち」_c0180686_20125202.jpg
他の作品は観てないからなんとも言えないけど、この「小さいおうち」金熊賞!かと思いました。
最優秀女優賞で銀熊を黒木華さんが受賞しました。おめでとうございます!
素晴らしいことです!そして良い演技してたし、良い女優さんと思います。
でもしかし、銀熊?!どう考えたって松たか子さんの方が受賞するべきだろう!
と、思ってしまいました。「若い彼女が獲ったことに意味がある」というFBでの書き込みを見ましたが「なんで?」
ベルリンに来てることが大事なのかなー?それとも事前にある程度決まってるの?
いや、黒木華さんの受賞は素晴らしい!パチパチでおめでたいのですが新人賞じゃあるまいし「何で松たか子さんじゃないの?」という思いは消えません。
でもこの若い黒木華さん、銀熊を受賞して益々のご活躍、お祈りします。
しかし作品自体が受賞しなかったのも、とっても残念!です。

さて今日の夕方はスタジオでした。声優ですが本編ではなくトレイラーといって劇場やインターネット、またはDVDの最初に映るコマーシャルの吹き替えでした。
演じたのは初めての渡辺謙さんの役でした。もちろんオリジナルは英語、それをドイツ語で。
ドイツ版のゴジラ、数週間後に映画館やDVD、またはネットでご覧になる時には渡辺謙さんが僕の声でドイツ語で喋ってる筈です。
ドイツで吹き替えで上映する場合、いくら吹き替えに厳密で力を入れてるドイツでも、その登場人物のほとんどが日本人なら、吹き替えもドイツ人でやってしまうことが多いんです。その方が全部ネイティブで自然ですから。
だからハリウッド映画とか、日本人が混ざってる映画の方が僕の出番は多いです。
「終戦のエンペラー」しかり(昭和天皇役でした)西田敏行さんの声を入れた「ラーメンガール」しかり。
そういう意味では期待薄ですが、西田敏行さんの声をあれだけ入れたので、来年日本で公開の映画「マエストロ」がもしドイツで上映となったら、少し期待してます。その場合は、佐渡裕指揮ベルリンドイツ交響楽団の演奏でも関わってますから、ダブル出演となります、ドイツ語版では。
あとは、「素敵な金縛り」の落ち武者役、やりたいけれど、これはドイツでは上映されないかなー?!
写真は今日のスタジオ。前の人をサブで待ってました。真ん中のガラスの向こうが、かなり広い録音スタジオです。ベルリンにたくさんあるけれど、数年前に新しく作られたここの6つのスタジオ、ここが一番心地よいかなー?

ベルリンに住んでいなかったら僕が声優になることはなかった。ありがたいことです。
ベルリン映画祭出展 山田洋次監督作品「小さいおうち」_c0180686_06031896.jpg


by Toruberlin | 2014-02-18 21:10 | Movie 映画 | Trackback | Comments(4)
Commented by n.yaginuma at 2014-02-19 16:58 x
徹さん、こんにちは。先日もコメントのお返事でいただいておりました「小さいおうち」、ベルリン国際映画祭で黒木華さんが銀熊賞を受賞されたということで、日本でも話題になっております。以前より、小津安二郎監督をリスペクトしている山田洋次監督が東京物語のリメイク版を作るということでクローズアップされてました。徹さんのお奨めとあれば、是非鑑賞してみたいですね!
金曜の晩は、LaWasabiさんで、イタリアワインを楽しむ会です!俊さんの素晴らしいお料理をカジュアルな立ち飲み&ビュッフェスタイルで楽しもうという趣旨です!Toru社長、倉田さんも参加予定です!
Commented by Cecilia at 2014-02-19 17:38 x
原作を一気読みしました。もともと、この原作が直木賞を受賞した時から読んでみたかったので、ToruさんのFBの書き込みがよいきっかけでした。
読む前に観る人、読んでから観る人、先に出版された本が原作の場合人それぞれですが、私は本としての楽しみとして、自分で読んで自分の中でイメージを膨らますことが好きなので、先に読んで良かったと思っています。映画を観たあとだったら、そのイメージから離れることは出来なかったと思うからです。
原作も良かったです。何とも言えない余韻があり最後は涙しました。
今週は忙しいので来週観に行ってこようと思います。
Commented by Toruberlin at 2014-02-20 00:03
柳沼君、こんにちは!
東京物語のリメイク版は2年前かな、完成し僕も観ました。全くのリメイク、良い映画でしたが、やはり内容を知ってると感動は薄れるか?この「小さいおうち」はお薦めです。お子さん連れて行くのも、きっと良いよ!
金曜日、いいねー!俊からメッセージで聞いてました、郡山から二人が来てくれると喜んでいたよ。
トオルちゃんにもよろしく!倉田社長とは、前回会った時に話したシャツの話、是非具体化したいとお伝えください。
僕は来月半ばに帰国、郡山にも是非、伺うつもりでいます。
Commented by Toruberlin at 2014-02-20 00:08
Ceciliaさん、こんにちは!原作が直木賞受賞とは知りませんでした。ま、どちらもアリですね。僕は今まで、本を読んでからだと(自分のイメージが豊富なのか突飛なのか?)映画は楽しめないことが普通でした。
映画を観てからだと、本を読んでもイメージは自分で自由に膨らませることができる、けど、それぞれです。映画とホンが同じじゃないこともしばしありますしね。
きっと、読んでからでもこの映画、楽しめますよ!
また是非感想を、お寄せください。
うん、僕も帰国したら本を手に入れます。
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