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アナログ銀塩カメラたち。


ベルリンに留学した頃はCannonのオートボーイを持って来ていて、留学させてくれた東京の両親(+先生方や友人知人に)に報告するために写真を撮っていました。ネットなんて概念はなく日本へは手紙か、緊急事態には公衆電話から(家電からは高かった)5マルクで1分の電話しかなかった。2マルクが1ユーロなんですが80年代始めの5マルク、当時住んでいたアパートは200マルク以下で同じフラットが今は600ユーロと考えると6-7倍、5マルクは800円くらいだったから1分5000円ということになるのか?!
まあ、物価は高くなった!と嘆く声が多いですが、安くなったものは劇的に下がった。フライト料金と通信費、いまや通話は無料の時代ですから、面白い。
MacBookだとそうでもないのですが元来筆不精な僕。でもベルリンに来た頃は写真を撮り、何十枚も焼き増しし手紙を日本に送っていました。もちろんアルバムに貼ってもいましたが、記録と報告が目的でした。「所詮オートのカメラ」という気は、あったのだと思います。
ライカやツァイスの存在と、その凄さは知ってはいましたが、手の届かない世界と認識してました。
記録として撮っていたんですが、やはり人の目も気にする20代始め、「日本人とカメラ」今では世界中どの人種でもどこに行っても撮るのが当たり前ですが、当時は日本人がカメラ保有数では圧倒的だったのか?また高度成長経済でヨーロッパにたくさん来始めた頃だったのか?「カメラと日本人」というのはネガティブな表現でした。それで最初の外国、モンテプルチアーノ音楽祭とかJungeDeutschePhilharmonieに入った1983年頃までは撮っていたんですが、その後全くと言って良いほど撮らなかった時期がありました。年に二回は大きなツアーがありましたし85年には3週間以上のアメリカツアーだったんですが、写真がほとんど残ってません。
ネットやFBなどのSNSで(クオリティや良し悪しは別にしても)写真を撮るという行為が一般的に身近になったのは間違いないですね。
故き佳きモノを集める最初のきっかけはタイプライターでした。PCは一般的ではなくワープロもまだ持ってなかった時代、タイプライターは日常の公的文書、手紙、またオーディションの願書などで必需品でしたが、見目麗しい骨董的タイプライターで同じように打てるわけです、当時の新製品と。これには感動しました。そして見目だけじゃなく打った感覚も音も良い!
なんでこんなに重い必要がある?というような戦前のオフィス用タイプや(これも美しい)家庭用エレガントなのやポータブルタイプ、ドイツの工業製品によく見る「自分の考えはこうだ!」と他社とは全く違うシステムやデザインの美しさや面白さがあります。それであっという間に二桁になりIKEAの棚にずらっと並べ、床にも並べて悦に入ってました。骨董的美しさと面白さ+日常で使えること、これは今でも骨董選びの基準としてあります。
さて、写真の話でした。外れてはいないんです。
フランクフルトに仕事で行くことがありました。一年以上、チェロのグスティらと弦楽五重奏でフランクフルト(もちろん西の)TAT劇場でF.Hummelの青髭公を初演から定期公演していたんですが、最初のきっかけはその少し前にWienで無声映画を今のカンマーフィルハーモニー(ブレーメン)、当時にユンゲドイチェフィル・カンマーオーケストラで戦艦ポチョムキンなどをコンチェルトハウスで伴奏したんですが、そのツアーのリハがユンゲドイチェの本拠地フランクフルトでありました。時間のあったときに紹介されて機械モノ専門の骨董屋(これは当時、ドイツでもトップの店だった)を訪れました。もちろんタイプライターを探すためです。(この店は、フランクフルトで定期的に演奏する様になって通いました)
しかし自分のコレクションと内容はあまり変わらず、買っても良いなー!と思うモノでも西ベルリンよりもずっと高価だったのでかなりガッカリしました。しかし一緒に行った友人がカメラを手にしてました。ライカとかじゃなく、いわゆる蛇腹カメラ。
値段は驚くほど安い。1-2万円でずらっとあり、CarlZeissの、後から知ったけれどピント合わせの付いてるスーパーイコンタではなかったけれど、TessarレンズのIkonta、6×9のRollFilmカメラでした。店の人曰く、ちゃんと使えるらしい。そして1930年代製にしてはキレイで、そして風格があった。
話は逸れますが、後日ベルリンに戻り、当時の僕のベルリンのお母さんEさんに見せたら、彼女はオスカーヘレンハイム病院の総婦長だった人で、戦前もベルリンで看護婦さんで安い給金ではなかったけれど、当時カメラが欲しくてまさにその僕が買ったZeissIkontaが欲しくてたまらなかったが、月給の数ヶ月分で高嶺の花だったと話してくれました。そう、上に書いたことに加えて工業製品も劇的に安価になりましたね。蓄音機が当時どのくらい高価だったかは今の感覚では信じられないでしょうが、今ではある程度のクオリティで聴ける機械を、ほぼ(先進国という言い方は好きじゃ無いけど)万人が持てる。
そのモノ自体が持ってる佇まいとか美しさ、モノとしてのクオリティとアウトプットしてくれるクオリティの高さで、蓄音機、カメラなどにその後のめり込んで行ったわけです。そしてそれが可能だったのは、手が出る価格に下がっていたから。(今のアナログレンズと同じです)
話をフランクフルトの工業製品骨董屋に戻します。
そこで買った蛇腹カメラ、フィルムの入れ方を教えてもらいフィルムを買ってWienに向かいました。
アナログカメラは、ピント合わせ機能がなければ距離計の目算でピントを合わせます。あとは絞りですが被写界深度のことは、なんとなく既に理解していました。開放なら浅いから狙ったとこにピントは合って、前後はボケる。当然ピンボケがまずは避けたいから被写界深度が深いF16とかで最初はトライしたわけですが、これは感度が高いフィルム(ISO400)を買って(カラーの他にもちろんモノクロムロールフィルム、もっと感度高いイルフォードでした)露出計はその後デジタルのを手に入れましたが、その時はもちろんなく、大体のカンで撮ったんですが、その出来のあまりの良さに(手前味噌)感動しました。
これがカメラにのめり込んだスタートでした。
フィルムは最新でカメラは正常に作動しレンズは極上のCarlZeiss製、最初に王道から入ったのもきっと良かった。(このフィルムは最新でレンズはオールドの名レンズというのは、僕の今のコンセプト、新しい日本の頭脳であるデジカメと名工が作った名レンズの組み合わせ、に繋がってます)
それでRollFilmの蛇腹カメラから、一枚づつのPlattenカメラ(Rolex社のフィルムマガジンも揃えました)、そしてデジタルの出現と台頭でどんどん身近になったライカのRシリーズ(一眼レフ)やバルナック、M3と増えていきました。
日本人観光客とオートフォーカスカメラ、とは一線を画すオールドカメラはどこでも目を惹きました。ドイツ人のカメラ趣味の人が皆日本製なのに、日本人の若造がオールドドイツカメラを持ってるのに声をかけられたことしばしでした。またアンティークトランクを大小精力的に集めた時期がありましたが、それをカメラバックとしたり、機械としての良さと外観の美しさ+写真を撮ることに嵌っていきました。
さて、このブログを読んでくださってる方の多くはご存知ですが、今はNEX+オールドアナログレンズが僕のメインです。これはライカなどのレンズを手放さなかったから(長く放置してた)Eマウントの出現とともにベストとして今に至る僕のスタイルです。
気に入ったモノは出来るだけ手放さない。死蔵品という嫌な言い方があるけれど、それを換金して運用なんてのはセコセコしていて性に合わないのです。で、それよりもある資産家の言葉、成功の秘訣は?に「手に入れたモノは何でも、手放さないことです」が頭に残り、また性に合っています。もちろんいつかは楽器や弓と同じ様に手放すこともあるとは思いますが。
三桁の数を越すカメラ、そしてレンズ、全て銀塩アナログ用は写真のおもちゃ箱をメインにずらっと持ってますが、レンズ以外はずっと出番がないのです。もちろん、いつか自分でモノクロームを現像から紙焼きまでするつもりはあります。でもその時間的余裕はないというか、そのために確保する時間のプライオリティーは限りなく低い。趣味ですから。
そこで気になったのが、この話題。(これのために、前置きが長くなりました)
もちろんどのくらいのクオリティかはわかりません。ネガスキャナーは存在しますが1-2万円のもあればプロ仕様の高価なのもある。でも大袈裟すぎる。フィルムを店でCDに焼いてもらう手っ取り早い方法もあります。が、このアプリが「使える」なら大歓迎です。まずは膨大な今までのネガ、そして撮りたい銀塩フィルムカメラでの写真。それらをMacBookにデジタル化して取り込めるならバンザイ!です。

その35mmフィルムカメラ、そしてRollFilmカメラで撮影するのは自分で現像から焼きまでする時、と思ってましたが、現像はモノクロームなら家で大したことない道具と作業でできる。それをこのアプリでデジタル化して(書いたようにクオリティ如何ですが)ブログなどに使えるなら、素晴らしい!と期待しています。
タイプライター、トランク、蓄音機と集めたモノたちの話はまだまだあります。これは別の機会に。
カメラの話だって、まだまだあるのですが銀塩カメラたちをまた使うようになったら、お話しすると思います。
日記の日付は5/19となってますが書いたのは6/8の朝です。上記のアプリはこの秋デビューだそうです。

by Toruberlin
| 2017-05-19 23:59
| 趣味の話
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